yakateru ギターの本棚

ギター蘊蓄知ったかぶり

タイトルの和訳

曲目の紹介時に、日本語のタイトルがあるのに忘れる曲。

【ポンセ/3つのメキシコ民謡】
第1曲:小鳥売りの娘
第2曲:わが心よ君ゆえに
第3曲:ラ・バレンティーナ

【ヴィラ・ロボス/5つのプレリュード】作曲者によるニックネーム
前奏曲第1番:抒情(じょじょう)のメロディ
前奏曲第2番:カパドシオの歌
*カパドシオとは、リオの下町を肩で風を切って歩く、いなせなお兄さんのこと
前奏曲第3番:バッハへの賛歌
前奏曲第4番:インディオへの賛歌
前奏曲第5番:社交会への賛歌

【メルツ/ギターデュオ】
J.K.Mertz:3 nanien trauerlieder:3つのエレジー 
NO1 Am Grabe der Geliebten:恋人の墓にて
NO2 Ich Denke Dein:君を思う
NO3 Traumarsch:葬送行進曲
       Unruhe:焦燥(NO3の代わりに3曲目で弾いている曲です)
(演奏動画)

恋人の墓で
https://www.youtube.com/watch?v=IxPDTlXcDGg
君を思う
https://www.youtube.com/watch?v=G1F1Jbkxwg8
焦燥
https://www.youtube.com/watch?v=JKrf0bG935A

ギター蘊蓄(ルネサンス編)

ギターを演奏するときに、ちょっとした蘊蓄を披露できるといいですね。ここでは、見つけた使えそうな蘊蓄を紹介します。

【ナルバエス:牛を見張れによる変奏曲】
この曲は、音楽史に残る画期的な曲だそうです。それは、史上初の変奏曲形式の器楽曲というのが理由です。
もうひとつ、この曲は男性と女性の掛け合いの歌になっているそうで、その歌の内容は、「私のために牛を見張っていてね。愛する人よ、私はあなたにキスをあげます」というもの。つまり「牛」とは、彼女のライバルとなる別の女性のことだそうです。
(出典:現代ギター「ギター前史 斜め読み」より)

【ナルバエス:皇帝の歌】
この曲は、ジョスカン・デ・プレの「千々の悲しみ」という曲をビウエラ演奏用にアレンジしたものです。「千々の悲しみ」は、ジョスカン・デ・プレが当時のスペイン国王カルロス1世(ローマ帝国カール5世:同一人物)に捧げたもので、「皇帝」というのはカール5世のことだそうです。このあたりは、「ビウエラ7人衆 西川和子著(彩流社)」に詳しく書かれています。
ちなみに、この曲は、遣欧使千々和ミゲルが豊臣秀吉の前で弾いた曲という説もあるそうな(皆川達夫氏の説)。
(出典:現代ギター「ギター前史 斜め読み」、「旅心はリュートに乗って:星野博美」等より)

【ムダラ:ファンタジア第10番】
めちゃロックなこの曲(勝手なyakateruの印象ですが)。別名「ルドヴィーコのハープを模したファンタジア」と言いますが、ルドヴィーコとは、当時、イザベル女王にハープを教えていた有名なハープ奏者のことです。
また、この曲の特徴であるカンパネラ奏法を用いていますが、数多くのビウエラ曲のなかで、この効果を狙った曲はこの1曲だそうです。アランフェスを作曲したロドリゴはムダラについて、「彼の和音は大胆な天才か、常軌を外れた感性の持ち主かだ」といったそうな。
(出典:現代ギター「ギター前史 斜め読み」より)

【ビウエラとリュート】
ルネサンス時代のギター曲といっても、二つの流れがあります。ビウエラとリュートです。個人的には、ポリフォニー的に旋律が絡み合うのが素敵なビウエラの曲と、繊細な和音の響きで魅了するリュートの曲というような違いがありそうな気がしますが・・このような違いを認識しながら、ルネサンスの曲を弾き分けるのも楽しいかも。
ビウエラ:スペイン(ミラン、ムダラ、ナルバエス・・・)
リュート:イギリス等(カッテイング、ダウランド、R.ジョンソン・・・)
ちなみに、ミランの曲等で、3弦を#Fにするのは、ビウエラの調弦に合わせるものである。また、さらに3フレットにカポを取り付けると「ビウエラ Sol(ソ)」、5フレットに付けると「ビウエラ La(ラ)」と同じ調弦になることも知っているといいかも。

      1弦    2弦   3弦   4弦    5弦   6弦
ビウエラ     完4 ー 完4 ー 長3 ー 完4 ー 完4
ギター      完4 ー 長3 ー 完4 - 完4 ー 完4
(ギターの3弦を半音下げることで、2―3弦が完4、3-4弦が長3になる)

ギター蘊蓄(ルネサンス編:グリーンスリーブス)

【グリーンスリーブス】
『グリーンスリーブス Greensleeves』は、エリザベス朝時代(16世紀後半頃)によく歌われてた古いイングランド民謡で、シェイクスピアの喜劇『ウィンザーの陽気な女房たち』のせりふにも、グリーンスリーブスの歌詞が出てくるそうです。
「スリーブ sleeves」とは衣服の袖(そで)のことで、「緑の袖」の意味になりますが、中世・ルネッサンス期において、「緑」には「不倫」の意味があるそうです。
イギリスの民謡と言われていますが、一説では16世紀のイングランド王ヘンリー8世により作曲されたとの説も。このヘンリー8世の妻、アン・ブーリンは斬首刑に処せられるのですが、彼女への求愛を表現した曲ではないかとの説、あるいは、ヘンリー8世の女性遍歴を揶揄(やゆ)した曲であるとの解釈もなされているそうです。ともかく、この時代の男女の愛憎劇をうたったものであるようです。
歌詞は、失恋し苦しみもがく男の心の声を歌ったものになっています。
歌詞などは、下のサイトで見ることができます。
「世界の民謡・童話」サイトより

https://www.worldfolksong.com/songbook/england/greensleeves.html

グリーンスリーブスの歌詞

ああ愛する人よ、残酷な人
あなたはつれなく私を捨てた
私は心からあなたを慕い
そばにいるだけで幸せでした

グリーンスリーブスは私の喜び
グリーンスリーブスは私の楽しみ
グリーンスリーブスは私の魂そのもの
私のグリーンスリーブス、貴方以外に誰がいようか

貴方は誓いを破った、私の心のように
ああ、なぜ貴方は私をこれほど狂喜させるのか?
離れた場所に居る今でさえも
私の心は彼女の虜だ

貴方が望むものすべてを差し出そう
貴方の愛が得られるなら
この命も土地のすべても差し出そう

貴方が私を軽蔑しても
私の心は変わらず貴方の虜のまま
私の家来はすべて緑に身を包み
彼らはこれまで貴方に仕えてきた
それらはすべて紳士的で親切だったが
それでも貴方は私を愛してはくれない

貴方は世俗的な物を望むことはできない
しかし貴方は今もなおそれを進んで得ようとしている
貴方の美しい調べは今もただよい続ける
でも貴方は私を愛してはくれない

私は天高い神に祈ろう
貴方が私の忠誠に気付き
死ぬ前に一度でいいから
貴方が私を愛してくれることを

ああ、グリーンスリーブスよ、さようなら
貴方の繁栄を神に祈ります
私は貴方の真の恋人
もう一度ここに来て、私を愛してください

ギター蘊蓄(バロック編)

【アルビノーニのアダージオ、カッチーニのアベマリア】
「アルビノーニのアダージオ」はアルビノーニの作曲ではない。
「カッチーニのアベマリア」は、カッチーニの作曲でない。
これ知ってました?
「アルビノーニのアダージオ」の作曲者は、レモ・ジャゾット(1910-1998)。彼は、出版社のひとで、アルビノーニの曲を流行らそうと考え、この曲を作り宣伝したそうな。でも、結局、この曲だけが浮かび上がって、他の曲がかすんでしまったそうな。
「カッチーニのアベマリア」の作曲者は、ロシアの作曲家ウラディミール・ヴァヴィロフ(1925-73)。最初は、16世紀の作曲者不詳ということで発表されましたが、その後、架空の作曲家カッチーニの名前を付け売り出したそうな。
ポンセは、自作のプレリュードホ長調を、ヴァイス作曲として発表してたりしてたことを考えれば、そのあたりはいい加減な時代(おおらかな時代?)だったんだなあと、思いますね。
出典:「クラシック偽作・疑作大全(青弓社)」

ギター蘊蓄(ラテン音楽編)

【アジャーラ:南米組曲】
アルゼンチンの作曲家、エクトル・アジャーラ(アヤラ)の南米組曲。プレリュードから始まり南米各国のリズムとメロディが展開する組曲ですが、楽譜のタイトルは「SERIE AMERICANA」と「アメリカ組曲」となっています。なんでも、この時代1900年代初頭のころは、まだアメリカという言葉は、南米を指していたそうな。

ギター蘊蓄【印象派編】

【M.ラベル:亡き王女のためのパバーヌ】
ラベルの代表作の一つの曲で元曲はピアノ曲ですが、超難易度が高いディアンス編、私が弾いているデュアルト編、その他いろいろな編曲版がある人気曲ですね。
とある演奏会で、「亡き女王のためのパバーヌ」として紹介されていたので、「ありゃ、この人は女王と王女、間違っとるねえ」と思った次第。
ちなみに、「女王」は、王位についている女性。「王女」は、王位についている人の娘。と、全く違う人物を指します。そう思って、「女王」と「王女」。イメージがまったく変わりますよね。勇ましい女性の死、いたいけない可憐な娘の死。
ちなみに、この「王女」とは、諸説ありますが、ラベルがルーブル美術館を訪れたときに見た、17世紀スペインの宮廷画家ベラスケスが描いたマルガリータ王女の肖像画からインスピレーションを得て作曲した、といわれています。ただ、マルガリータは、オーストリアのレオポルド2世の妻になった人なので、王女時代に亡くなったわけではないそうです。
また、ラベルは、作曲当初はあまり気に行っていなかったそうですが、晩年、認知症?になり、「この素敵な曲は誰が作曲したのかね」と尋ねたそうな。
マルガリータ王女の肖像画(ルーブル美術館)

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