yakateru ギターの本棚

現代ギター特集覚書

雑誌「現代ギター」 覚え書き

終活の一貫で、ため込んでいる雑誌等を整理しはじめました。
月刊誌「現代ギター」も相当にたまっているので、1冊づつ見返して必要なものだけをファイルにし始めました。
特に、特集記事については、これは役に立ちそうというものが、今見返すと山のように掲載されています。
その覚え書きです。詳細については、原本そのものをご確認ください。

2017.01 NO638 「カーボン弦はお好き」
  •  「カーボン弦」は、「フロロカーボン弦」の略称
  •  初のカーボン弦は、1990年に発売されたサバレス社の「アリアンス」
  •  フロロカーボンの開発は、日本の呉羽化学工業で1970年代から釣糸用に開発
  •  日本ギタリストは、3弦での使用例が多い。外国人は高音弦すべての使用が多い(セット販売のため?)。お勧めは、2弦、3弦での使用(松尾俊介氏)
  •  カーボン弦は、ナイロン弦に対し、比重が56%も重い
  •  カーボン弦のメリットは、耐水性がある(手汗に強い)、硬くて強靭(傷がつきにくい)、早く安定する
  •  カーボン弦は、3倍音までの倍音は少ないが、高次倍音が多い
ちなみに、私のフレタの2弦3弦は、オプティマのカーボン弦を張っています。ナイロン弦で気になっていた音のクリアさが、カーボン弦では、全く気になりません!

ソルの「魔笛の主題による変奏曲」のテーマの謎について

2017.11 NO.468~NO470 「なんて素敵な音だろう(魔笛の主題)」
F.ソルの名曲「魔笛の主題による変奏曲」テーマについての考察を紹介しています。モーツアルトの「魔笛」を聴いても、そのテーマは、スコアを見ても出てこないそうです。
その謎が解ける・・・・
  • 「魔笛」の〈なんて素敵な音だろう〉をテーマにしている。ただ、オリジナルのメロディを劇的に変えてる。それはなぜか。
  • テーマの音価が半分になっているが、全体のリズム感は変えていない。ちなみに、このテーマは、ソルの「魔笛からの6つのアリアOP19」にも使われている。
  • ソルは、オペラ「魔笛」のロンドン初演を聴いた可能性が高い。そこで、変奏曲を作曲する刺激を受けたのではないか。
  • 当時は、オリジナルの替え歌をつくることが流行っていた。歌と伴奏による替え歌バージョンがあり、その替え歌バージョンがフランスではやっていた。当時は、著作権も問題もないので、自由に使用して楽しんでいた。
  • 当時は、ソルの変奏曲以外にも、「魔笛」のテーマを主題にした他のギター曲も出版されている。
  • その中に、「意地悪な女歌(甘い幸せ)」という別の曲に、この「魔笛」のテーマの改編されたものがある。
  • 結論を言えば、ソルのテーマは、モーツアルトの原曲でなく、そのフランス語翻訳オペラと改作されたオペラ「意固地な女歌手」テーマのメロディを使ったのではないかと思われる。
  • ソルの「魔笛による・・」のホ短調の序奏も、オペラ「魔笛」の第2幕第28場から引用・改作されている。 
オペラ「魔笛(なんて素敵な音だろう)」のテーマ
オペラ「意固地な女歌手(甘い幸せ)のテーマ

「指頭奏法のススメ」「バッハとヴァイスの交流」

2015.04 NO616 「指頭奏法のススメ」 解説:竹内太郎
  • 指頭奏法と言えば、リュートやバロックギターのイメージがあるが歴史的は必ずしもそうではない。
  • ダウランドが弾いていたルネサンスリュート、ヴァイスのバロックリュートは指頭奏法であった。しかし、アーチェリーリュート、テオルボ、バロックギターは、爪で弾かれていた。
  • 19世紀、ソルは指頭奏法であるが、アグアドは爪弾きであった。
  • スペインでは爪弾きであったが、それ以外の国では指頭奏法が盛んだったようだ。トーレス式のスパニッシュギターがスペインとフランス以外では弾かれていなかったことも理由か。
  • タレガは、最初は爪弾きであったが、50歳ごろから指頭奏法に切り替えている。ただ、指頭奏法に変更するにあたっては、粘り強く研究を重ねた成果で、根気強さで難点を克服していったのである。ということで、相当の苦労をしたようである。
  • 爪弾き:はっきりした音、優れた遠達性、速いパッセージに有効
  • 指頭奏法:雑音のない美しい音、陰影に富む豊かな表現力。ただし、ナイロン弦には不向き
  • 結論:指頭奏法で弾く際は、弱めの張力、小型のギターの場合は有利。慣れは必要だが、音色と指に触れる弦の心地よさは絶品。また、高価なギターでなく量産ギターでガットを張り弾くと弾き心地がいい。

2016.05 NO629 「バッハとヴァイスの交流」
  • バッハの「ヴァイオリンとオブリガード・チェンバロのためのトリオイ長調BWV1025」は、ヴァイスの「リュートソナタ第47番」が元。ヴァイスのリュート譜をほぼそのままチェンバロで演奏し、上にヴァイオリンのメロディをのせている」 *バッハの平均率1番にメロディを載せて「アベ・マリア」にしたようなもの?
  • バッハが、他の作曲家の作品に手を加えて、新しい作品をつくるということはよくあることだった。*ヴィヴァルディの作品に手を加えて、より深いバッハの作品したものも数多くありますね。
  • 「ドレスデンのリュート奏者ヴァイスが、バッハと対抗して即興演奏やフーガを演奏した」とヴァイスとバッハが競演したという記事もある。
特集記事の多くは、「リュートソナタ第47番」のサラバンドについて、バッハがどのように曲のイメージを膨らませていったかが解説されています。

「運指の工夫で弾けるアルハンブラの思い出」

2012.01 NO574 「運指の工夫で弾けるアルハンブラの思い出」
レオナルド・ブラーボ
出だしを、2弦5フレットの「ミ」でなく、1弦開放の「ミ」で弾いている。理由は、①誤って1弦を弾くリスクを避ける、②メロディの音色のバランスを保つ、③ベースラインの響きを良くするため。(yakateru)イ短調のほとんどをローポジションで弾いています。左手小指4の出番が多いですが、大賛成!

益田正洋
4小節目の3拍裏、5小節目の1拍裏、6小節目の1拍と3拍の裏の低音を、3弦でなく4弦を使っている。

原善伸
出だしの1小節目から8小節目までを、左2の指を常に2弦の上に置いている。イ短調のメロディの左指は、4か2を使う。

(yakateru) 具体的な運指は、元本でお確かめください。苦手だったイ短調部分がかなり楽になります!なお、次の575号では、手塚さんが「トレモロの謎」のコラムで、安易に運指を変えるべきでないとのコメントを寄せています。タレガは、アルハンブラ宮殿の噴水から零れ落ちる水の音を模写しているので、イ短調の出だしは開放弦でなく、2弦の丸みのある音を使うべきとの意見です。実際、その噴水を見た私としては納得ですが、噴水は、「トロ、トロ、トロ」と粒になって落ちていましたので、噴水をもじるのであれば、トレモロは、一般的なトレモロの音をつなぐ弾き方でなく、ゆっくりと一音一音分かれるように弾くべきであろうとも思います。いかがでしょう・・・・
2024.05.15

粒状になって滴り落ちる水滴

ステージのあがり 克服!

2012.10 NO584「ステージのあがり 克服!」

演奏での「あがり」は、演劇の5倍以上といわれる。
福田進一:「右手が震えたら左手を見ろ」「右手が安定しない時には左手に集中しろ」、リハーサルでは70%ぐらいの力でやり、本番に備える。あがって間違えたら、誤魔化す。知らんぷりをする。
P.シュタイドル:あなたの手を天使にゆだねて、代わりに演奏してもらえるように頼みましょう。
朴葵姫:本番前に、わざと緊張するようにして弾いておく。早い段階で緊張しておくと、本番では、その緊張に慣れて弾ける。
村治昇:子供は、緊張するがあがらない。そのため、本番では120%の力が出る。「緊張」し、「集中」するのが子供で、雑念が入らず「無心」になれる。大人は、「緊張=集中」の習慣を付けるようにするといい。

「映画を彩ったギター音楽」

2019.10 NO673「映画を彩ったギター音楽」

「不良少年/武満徹」1961
ギターの二重奏、三重奏の名曲だと思っているこの曲は、1961年、羽仁進監督の長編映画第1作で、特別少年院の生徒と教官の姿を赤裸々につづったドキュメンタリータッチの作品で使われたテーマ曲です。曲は、冒頭のシーンから全編にわたって流れるそうです。ちなみに、映画「不良少年」には、武満徹が作詞・作曲した「〇と△の歌」も挿入歌として流れてきます。
武満徹は、三重奏版(1961)で作曲しましたが、その後、佐藤紀雄氏によって二重奏版(1992)として編曲されました。(yakateru:映画見てません)

「11月のある日/L.ブローウェル」1972
中級クラスになった時に、弾きたくなる名曲「11月のある日」。これは同名の映画で、キューバ革命時の青年を描いたウンベルト・ソラス監督の作品。製作当時は、反革命的・カストロ政権批判ととらえられ公開が許されなかったが、6年後に公開。映画自体は、悲観的で陰鬱な内容だそうですが、流れる音楽だけは美しく優しさに満ちているそうです(yakateru:この映画も見ていません)。

「カヴァティーナ/スタンリー・マイヤー」1978
ベトナム戦争の反戦映画「ディア・ハンター」のテーマ曲として有名になりました。監督は、マイケル・チミノ。ロバート・デニーロ主演。曲自体は、4年前に製作された犯罪映画「ザ・ウォーキング・ステッィク」という作品のためのピアノ曲として作曲されたそうですが、映画がヒットしなかったため埋もれてしまったそうです。(yakateru:この映画は、劇場でもビデオでも見ました!)
ちなみに、カヴァティーナとは、元来はイタリア語で「楽器が奏でる音色」を意味するカヴァータ(cavata)の縮小形だそうです。
ちなみに、映画では多重録音による2重奏で演奏されていますが、後に演奏を担当したジョン・ウィリアムズ自身によってギターソロに編曲されたそうで、今は、ほとんどの人がこのソロ譜でチャレンジしてますね。(yakateru:ソロで弾くと結構むずかしい!!ので、人前で弾く時は二重奏で演奏することをお勧めします)

(番外編)「MI・YO・TA/武満徹」
二重奏で、とても気に入っているこの曲も、映画音楽として作曲(1950)されました。しかし、理由は不明ですが採用されず、武満徹没後に、谷川俊太郎が詩をつけて石川セリが歌ったことで世に出た曲です。
武満徹が作曲する際に籠っていた長野県御代田をイメージした作品で、武満徹のオマージュといえる作品です。(yakateru:御代田は、機械式時計のムーブメントを作っていることで知ってました)

「ウォルトン 5つのバガテルの進化 オーケストラ版への進化」

2020.6 N.681「ウォルトン 5つのバガテルの進化 オーケストラ版への進化」

名曲ウォルトンの「5つのバガテル」。このギター曲を本人がオーケストラ版として進化させている。との特集記事です。詳細については、元本をご参考ください。
ここでは、オーケストラ版のユーチューブ動画を紹介します。
かっこいいですね。
時々弾いている第3曲の「キューバ風に」は、えっ、こんな感じなん?と思ってしまうほど印象が違います。が、解説によると、速度記号等の変更がないのは、この第3曲だけだそうで、こんなイメージなの??
https://www.youtube.com/watch?v=GqhNjNGQlH8

最後の約束 /莉燦馮(リサフォン) 

2024.3 NO726 「最後の約束 /莉燦馮(リサフォン)作曲」

東日本大震災、熊本震災、能登半島震災などなど、震災被害にあうのは地震大国日本の宿命のようなものですが、その都度、たくましく復活してきました。
この曲は、かつて、いちむじん(ギターデュオ)の為に松居孝行さんが作曲された曲ですが、東日本大震災後に演奏され、今回、能登半島の震災のこともあり、より多くの人に弾いてもらい聴いてもらいたいとのことで雑誌現代ギター掲載されました。
莉燦馮さんの曲らしい、美しさの中に力強さを感じる曲です。
ユーチューブで演奏動画を探しましたが、現在、女子高校生のデュオの演奏が上がっている程度です(素人撮りの動画で、あまり期待していませんでしたが、演奏は素晴らしいです! 最初の1分間は調弦なので飛ばして聴いています)
今年の3月号に楽譜は掲載されています。
私もどこかで弾いてみたいと思っています。

https://www.youtube.com/watch?v=kkAoxPXjo24
 

デ・ラ・マーサとアランフェス協奏曲

2021.10 NO697「デ・ラ・マーサとアランフェス協奏曲」
アランフェス協奏曲を作曲者であるロドリーゴと初演したデ・ラ・マーサのインタビュー記事が掲載されている。ここでは、次のように各楽章を説明している。
1楽章:アランフェスの庭園の茂みに群れる蝶や小鳥の様子、泉が湧き出る音、闘牛士の妙技の美しさを表現している。
2楽章:ロドリーゴの新婚旅行先のアランフェスの庭園での情景を表している。ということで、美しい庭園が華を添えるロマンス物語。
3楽章:ゴヤが描いた18世紀の宮廷の様子をモチーフにしている。
初演を迎えるデ・ラ・マーサは、前日の夜中にロドリーゴに、「不安で眠れない。ギターの音がオーケストラの音に消されてしまったらどうしよう」と話したそうです(何とも、微笑ましいと思ってしまいますが)。しかし、初演当日は、2楽章が終わったとたんに割れんばかりの拍手で演奏を中断することに。演奏終了後に鳴りやまない拍手に答えて2楽章をアンコールとして再演したそうな。

その後、デ・ラ・マーサは、スペインの文部省から演奏活動ばかりして音楽院の学生をほったらかしにしているとの苦情や、彼は、77回アランフェス協奏曲を演奏したにもかかわらず、ロドリーゴ夫人から自分の曲ばかり演奏してアランフェス協奏曲を演奏してくれない等の苦情を受け、結構大変な目にあったそうです。

(おまけ記事)
ギターの前身は、オリエントが起源とされているが、縄文時代の日本の遺跡からギター様の楽器が!
縄文後期(紀元前2000年~500年)の滋賀県彦根市松原内湖遺跡から、ギター様の楽器の遺跡が出たそうな。4弦の撥弦楽器で全長43.7㎝。一部に朱の丹塗り、格子模様の彫刻が施されているそうです。

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